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Posted by ミリタリーブログ at

2019年11月23日

アホカリプス2019

アホカリプス2019



特集アホカリプス

(訓練を担当したグリーンベレー隊員と訓練に参加した山岳民族達)

1968年8月 ベトナム中部高原
絶え間なく降る雨、夜は寒く厳しい環境が続く中部高原で合衆国陸軍特殊部隊群"グリーンベレー"達は地域の占領を目論むゲリラ達から村落を保護し、適切な医療支援、教育を行なっている。

「我々の任務は彼らに適切な訓練を行い村の防衛力を向上させ、ゲリラの侵入を許さない、強固な部隊を作り上げる事にあります。」
そう語るのはティームの副隊長であるミラー中尉だ、彼は常にティームリーダーの意思に添い、誠実かつ真剣に部隊の運営を支えているという。
その時、号令と共にで数名の隊員が行進してきた。


指揮を執るのはガブレスキー曹長と助手のショウ1等軍曹だ
ガブレスキー曹長、彼はティームサージェントと呼ばれ、ティームの軍曹達の親分で叩き上げのベテランなのだ!
ショウ1等軍曹は衛生隊員で休憩や食事時の合間を縫って隊員の健康状態を確認していた。


溌剌とした号令に"正しく反応"する山岳民族の隊員
学生の頃、体育の授業で習った人も居るだろう「集団行動」に似ているドリルトレーニングと呼ばれるこの訓練は規律よく行進をしたり、統一された動きでティームの規律の基礎を築いて、団結を深めるためにあり
指揮官号令に"正しく反応する"というのは、射撃を始めとした戦闘行動の基礎なのだという。

訓練を行う前のドリルトレーニングで気持ちを切り替えた隊員たちは射撃訓練を行う為に射撃場に向かう。
ここでは戦闘訓練ではなく基本的な射撃術を身につける為の訓練を行うという。
射撃場での訓練の意義。
戦場では常に錯乱が伴う、その中でいかに正確に射撃を行えるかが必勝の要だそうだ基本射撃訓練は戦闘訓練を行う前に確実に実施する必要があると中尉は語った。


射撃訓練において姿勢を展示するミラー中尉


射撃を行う為に線上に整列した山岳民族の隊員達、その手には最新鋭の"M16自動小銃"が
その鋭い目線の先の的がもしゲリラだったとしたら、彼らは生きては帰れないであろう。


グリーンベレー達の溌剌とした射撃号令の下に正確に動作を行い射撃をする山岳民族達。
ドリルトレーニングの成果だろうか?

1日の訓練を終えて夜を迎えた。

(夕食の調理を手伝う山岳民族の隊員、彼はティーム専属の"シェフ"だという。)

(グリーンベレーの隊員達は山岳民族達との団結を深める為に可能な限り彼らと食事を共にする。)

(今日は特別にビールを振舞って頂いた。
山の水で冷えたビールは格別だ。)


隊員達と共に夕食を済ませた後
グリーンベレーの隊長が是非見せたいものがあると言う事で真っ暗闇の中私は昼間の射撃場に向かった。
隊員がなにやらとても大きな装置の付いたライフルを取り出した。
その装置からは小さく「キューン」と音が鳴る。
なんとこれは最新の暗視装置で暗闇の中を見通すことができるという。


"PVS暗視装置"を覗く隊長、昼間見た猛然たる射撃を行う山岳民族とこの暗視装置に守られた村にもはや死角は見当たらない。

私は翌日に備え就寝した。

2日目
グリーンベレー隊員達に彼らが行なっている日頃の訓練を見せてもらった。
狙撃訓練と火力誘導訓練を見せてくれるという。


狙撃手を務めるのはオスカー6等特技兵
落ち着いた表情ではあるものの非常に精悍な目つきでスコープを覗いていた。


隊長も狙撃銃を手に訓練を行っていた。
なんと彼はティーム イチの狙撃手だそうだ。

続いて火力誘導訓練を見せてもらった。
すると彼らは数十メートル離れた位置に「表示役」の隊員を設置して距離感をだす為に小さい目標物を設置して目標地域を模擬的に作り出した。
さらに数十メートル手前には誘導隊員(米軍ではFOと呼ばれる)が並ぶ、
誘導隊員が無線で連絡すると「表示役の隊員」その地域を
木の棒の先に付けた布で指定地域を砲撃した現示を行ってくれるのだ。
外れたのならば誘導員はその修正方向を判定してまた報告するというのを繰り返す。
まるで子供の遊びだがれっきとした大砲の弾を誘導する訓練なのだ

双眼鏡の先の目標は完全に捕捉されているのだろう...


「ドーーーン‼︎」と表示役の隊員の大きな声が聞こえた


オミゴト命中!
隊員の間で笑顔が起こる。

非常に多くの訓練を見せて頂いた私はグリーンベレーのティーム、山岳民族の方々に挨拶をして中部高原を後にした。



(分遣隊長と副分遣隊長、指揮所の前にて。
彼らの全力の笑顔と対応はここが戦場ということすら忘れさせてくれた。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上アホカリ レポートでした。
今回、A232の訓練を許可して下さった運営の方々、そして参加して下さった参加者の皆さんありがとうございました。

  


Posted by ODA232 at 12:53Comments(0)

2019年08月23日

第4回訓練 その2

地獄の2日目 どうなるA232

皆んなが寝静まった深夜..24時
ゴソゴソするCP(指揮所)
そうみなさんもうお気づきでしょうか?

朝6時から訓練なんて嘘です笑

ここからは分遣隊長の記録と共にお楽しみください。

0100「訓練非常呼集!20分後すべての武器装具を携行し本部前集合!」新月で真っ暗の中警笛の音で隊員は起こされました。


素早く寝具に使っていたポンチョをリュックに取り付け示された時間には全員が準備完了しました。


 主力が出発する少し前に本部付き衛生下士官の安全車が宿営地を出発しました。訓練間の安全確保と無線通信のため訓練部隊が移動するのに合わせて訓練部隊から見えない位置を安全車も先行するように移動します。安全車の任務は主力からの無線による状況報告受けと万が一怪我人が出た場合速やかに回収搬送することです。
安全車には現代の衛生資材が積まれています。正確な再現と同じくらい安全確保は重要と私達は考えています。
 その後0430までの間破壊目標の近くまで25Kg前後のリュックを背負い、10Kgの梱包爆薬と16KgのM1919A6機関銃(機関部を破壊した実銃)を交代で持ち暗闇の藪の中を歩き続けます。今回の訓練に備えて各人が体力トレーニングをしていたこともあり疲労と眠気と戦いながらも誰一人欠けることなく歩くことが出来ました。
 破壊目標に近づくとチームは拠点を設け偵察、警戒、食事に別れて行動します。


(行動拠点占領)


日が登る前に爆破、離脱という命令を受けているので全員が食事をとれるよう再現されたレーションをゆっくり眺めたりおしゃべりする暇もなく一気に流し込み逐次警戒を交代します。


偵察を終え爆破組は目標へ爆薬を設置に、主力は離脱経路の偵察と安全確保に別れます。


0500爆破成功の判定。作戦地域から速やかに離脱するため駆け足で目標から離れます。疲れた体に重いリュックが食い込みます。


 森の中を一キロほど離脱したところで副隊長がプンジスティック(竹の杭で出来た仕掛け罠)を踏んで負傷してしまいます。
これはどのように対処するかを訓練、評価するための状況付与です。  
 衛生下士官が素早く近づき靴を脱がせ水筒の水で傷口を洗い包帯を巻き処置しました。


負傷者発生のためヘリで要請作戦地域から離脱することになりました。部隊はLZを占領、全周警戒を行い無線による誘導します。


残念ながら私達は本物のヘリを所有していないのでバンをヘリに見立て運用しています。一見おふざけに見えるかもしれませんが、緊急時のヘリによる離脱、疲労困憊の状況でヘリにより回収してもらえる安堵感の体験を今回はしたかったのです。回収され宿営地に戻る機内(車内)でのメンバーの表情を見るとこの試みは概ね成功したと思います。


何せ彼らは更に6時間以上藪の中を歩いて宿営地に帰ると信じていたのですから。
 宿営地に戻ったのち隊員はシャワーを浴び着替えリフレッシュしたところで武器手入れを行いました。








私達の使う無稼働加工された実銃はすぐに錆びるので訓練後の手入れはは必須なのです。


 武器の手入れを終え、使用しなかった弾薬等を返納し総合訓練は終わりました。その後、下士官は下士官でAARを行い、将校は訓練成果の評価、報告書の作成をします。初めての総合訓練でしたが大きな成果を納めることが出来たと思います。しかし、行動、再現の上で幾つもの問題点もあがり次回訓練での課題も見つかりました。私達は今回の体験を通じ再現している5thSFGpへの尊敬の念を一層持ってより正確な再現と行動を追求したいと思います。
A作戦分遣隊232 CO

第4回関連のレポートは以上になります。

我々は現在、合衆国陸軍特殊部隊群 A作戦分遣隊(グリーンベレー)の行動を訓練の"リエナクトメント"等を通して再現しています。
ベトナム戦争における合衆国陸軍SF群は CIDG計画、ギリシャ文字計画、SOG等多岐にわたる計画、作戦に従事していました。
しかしその根底にあるのは隊員の日々のたゆまない努力、訓練、強固な団結、規律心、高度な士気があったからだと思っています。
ですので、このような"自隊訓練"を行う機会を設けて自分たちの知識、技術を向上させ、当時のSF隊員が行った「任務」を再現した際に少しでも当時に近づく事が出来ればという思いでリエナクトメントを行なっています。

長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
ODA 232 XO 1Lt Miller  


Posted by ODA232 at 00:28Comments(0)

2019年08月21日

第4回訓練 その1

第4回訓練





想定:1964年初頭 ベトナム中部高原

新任部隊長を迎えてのはじめての訓練!
そしてなにより今までの3〜4人などと違い
8人もいる事も私にとっては初めての経験です。
教育のため、群本部、衛生班より衛生下士官も支援参加して下さりました。

今回は2泊3日の訓練で
A232初の連続状況を想定しています。
教育内容は
科目:遊撃
細目:敵後方拠点への襲撃動作
精神徳目:不撓不屈
教官:本職

訓練部隊編成
CO(指揮官(隊長) 本職
XO(副指揮官(副隊長) 1Lt.MILLER
OP SGT(作戦下士官(先任) MSG.GHOUL
INTL SGT(情報下士官) SFC.STONE
MED Sp(衛生下士官) SFC.SHAW
Hw Wpne (重火器長) SSG.STEWART
RATLO Supv(通信主任) SP6.HOSCHAR

訓練内容
0930〜0940インスペクション
0940〜1040 潜入、襲撃、伏撃基礎
休憩10分間
1050〜1200 潜入、襲撃、伏撃基礎
休憩10分間
1200〜1300 休憩
1300〜1450 野外衛生
休憩10分間
1500〜1550想定付与(戦闘指導、予行)
休憩10分間
1600〜1800 訓練準備
1650〜1730 MM(CO.XO)
1800〜1830 隊容検査
休憩10分間
1840〜 1900 命令下達
1900〜2300 休憩(4時間)
1300〜1700(総復習)
爾後休務

前回の訓練で隊長は着任しているものの
インスペクションを含めて儀式を行うのは初の為、
全員に緊張が走ります。
宿営地域設営中の作戦下士官の「早くしろ」「遅れるな」の言葉からもそれが伝わります。

設営後、作戦下士官は素早く次の行動に移ります。
訓練開始時の点検"INSPECTION"に向けて下士官を指揮し、本番に間に合うよう時刻を設けて銃の位置、リュックサックの位置、寝具の位置等シェルターハーフ内の統制をを細かく指示します。各員の完了の報告と共に作戦下士官自らが点検を行い定刻に間に合うよう副指揮官に報告

副隊長は隊長に準備完了の報告します。



0930 作戦下士官の報告完了と共にインスペクションが開始されます。


点検を受ける情報下士官

インスペクションでは隊長が装備の点検と同時に各人の訓練間における目標、また各人の任務等を質問されます。
流石は下士官、全員が確たる目標を持ち堂々と返答していました。

緊張のインスペクションを終えたならば
続いてはまたしても緊張の隊長による施設巡視を行います。
様々な点検項目を元に
便所等の衛生施設、宿営地域、弾薬庫天幕の巡視をして指摘事項は全て訂正しました。

それらがおわって次に行ったのは訓練で使用する火器・弾薬等の武器物品、無線機・アンテナ等の通信機材、バンテージ・薬等の衛生資材の点検を隊長統制下で行います。


通信機材の点検及び訓練開始に伴い無線機を立ち上げる通信主任(このPRC10は全く動かない無線機だが彼はフィールドマニュアルに基づき校正等を含む立ち上げ動作を「空動作」で再演している)


彼の服装にも注目していただきたい。



点検を受けるべく衛生資材の配列を行う衛生コンビ



弾薬の員数点検を受ける重火器長と点検を行う隊長、副隊長


弾薬類は全て上級部隊へ請求し受領した
弾薬等交付書類の員数に基づいて行いました。

そして...

全ての点検が終了し、やっと訓練が始まります。
午前中の科目、潜入、襲撃、伏撃基礎


安全化及び警戒要領を演練中。


覚える事が盛りだくさんな爆破


土嚢ももう当たり前に作らなければならない...

爆破の訓練を終えたならば続いては
ブービートラップの設置を学びます。
ブービートラップは自衛障害として、また伏撃時の罠として使用します。


設置する場所、高さ、またその種類、特性について学び、それらをしっかりと筆記する隊員。
トラップを仕掛けるのは非常に柔軟性に富んだ思考が大切だ。


最後に自分たちで設置したトラップに引っかかってみる作戦下士官
彼曰く
「引っかかった瞬間は分からず、レバーが跳んだ後、足にトラップワイヤが絡まる感覚で気づいた」とのこと
しかし気付いた素振りをした時点で既に1〜2秒ほど経っていた。
またワイヤは足に絡まるので残り3秒で対処するのは難しいだろう。


昼からは衛生下士官の衛生教育を受けました。


様々なサイズのバンテージ、
その多岐にわたる特性や使用方法を学ぶ隊員


担架の使用方法


私を含めて皆が非常に感動していたのはこれ
衣類等を使用した応急担架の作成法、使用方法。
コレは担架がない場合、衣類等を組み合わせることで作れる担架で、戦地などで担架がない場合に用いられる。
見た目によらず頑丈で実用的でした。
また毛布などでも作る事が出来ます。

最後の衛生教育を終えて1日の教育を全て終了した我々は翌日の総合訓練である「遊撃訓練(破壊)」が早朝より行われる事もあり
夕方に命令下達、戦闘指導、戦闘予行を行い
各人への弾薬交付(もちろんダミーカート)
部隊装備火器の弾薬、爆破薬、糧食を交付しました。


弾薬は交付所を開設し各人列になり弾薬を受領しました。


弾薬を受領する隊員


弾薬を受領したならば自らも「発錆」「変形」等がないか入念に点検します。


火器の点検、手入れも念入りに♪(こういう時モデルガンはズルい笑)


嬉しそうな通信主任(彼はもう二度とこの頃には戻れないだろう)


最後に各人2食づつ糧食を受領して
最後にパッキングを点検して就寝!!


おやすみ〜

次回予告
君たちほんとにすぐ戦える?
試されるA232
そんなのきいてねーよ
波乱万丈地獄の2日目

乞うご期待

その2へ続く
  


Posted by ODA232 at 21:09Comments(0)